わたしは、わたし
高校の時の通知表がでてきた。法事のとき突然、あなたのよ、と渡されたものだ。成績はどうでもよかったが、通信欄に書かれていたやりとりに、当時は見えなかったあの時の真実を見たようで、気持ちが落ちていった。
当時の私は弱い親を見抜くことができなかった。認めたくもなかった。
親は頑張ってるんだ、大変なんだ、おかしいのは自分なんだ、そう思っていた。
あの家は、ただの家だ。どんなことがあったって過去は過去であって、およばない領域なのだということ。
今できるのは、過去の出来事をどうにかすることじゃない。
過去に受け入れてしまったメッセージを勇気をもって見つめ、自ら書き換えていくことだ。
わたしは、わたし。
そうささやくなにかも、いる。