歩くこと

母からの手紙が届いていた。

母からの手紙を開けるのはいつも億劫だ。母の手紙に勇気づけられたり、心に染みた記憶はない。だいたいは暗い気持ちになる。今回も例外ではない。相手を心配しているような文が書かれているが、行間からにじみ出る『わたし、わたし』の世界にいつも気が滅入る。

そして今日はたくさん歩いた。15km近く歩いた。

歩くのは嫌いじゃないけれど、重い荷物を背負ってたから帰りつく頃にはすっかり足が痛くなっていた。

何でこんなに歩いたのか・・・きっとこのモヤモヤした気持ちに飲み込まれたくなかったんだろう。

帰り道、ふと思った。

もし20年後の自分が今に戻ってきてこの手紙を読んだとしら、その自分はきっとすんなり許せると思う。その自分を少しだけイメージしてみたら、許せるような気もした。

明日からまた、生きていこう。