五嶋みどりを聴く

横浜でのロビーコンサート。

彼女の主催するミュージック・シェアリングの楽器指導支援参加校による演奏プログラムだったが、最初の2曲だけは彼女らによる演奏だったのでわずか5mの距離で聴けた。曲目はモーツァルトのナハトムジークとドヴォルザークの『糸杉』だ。

初めて見た彼女は、とても小柄で、それからその小さな手に驚いた。物静かで無口に見えたが、歩く姿は妙なすごみもあった。

楽器を構え演奏を始めるとその動きには一点の無駄もなかった。まず音のオンオフにショックやノイズが全くないのだ。

それから、音楽に休みがなかった、音が鳴っていないときこそ彼女の世界という感じすらしたし、まるで『なにもない』を弾いているかのようだった。

短い時間だったが貴重な体験になった。

たくさんのヒントを得ることができた。弓の使い方、音の立ち上げ方、呼吸、タイミング、鳴らし方、消え方、それからリーダーシップの取り方なんかも・・・。

今日学んだポイントをもとに、今度は自分の身体や楽器でも試して研究してみようと思う。

普段練習する曲は何回も弾いているから自分では『ドレミ』のつもりで弾いていても、実際に発している音は『ロレンミ~』になってることだってあるのだ。

自分の音を聞く耳も、もっと鍛えていきたい。